失敗しない~養育費の決め方~
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失敗しない~養育費の決め方~

金額と期間

養育費の決め方として注意したいことは、まず、子が複数の場合には、『子1人に対し1か月〇万円』と決めておかなくてはならないということです。

例えば、『子2人で合計1か月〇万円』という決め方をすると、子1人について支払いが終了した場合や万一亡くなってしまったような場合に、改めて協議する必要が生じてしまいます。

 

又、養育費支払義務の始期と終期を定めておく必要があります。

始期は、通常、合意の成立した月あるいはその翌月とするのが一般的です。

終期については、20歳(成年に達するまで)が多く、18歳まで、22歳まで、あるいは大学を卒業するまで、と定める場合もあります。

『18歳に達した翌年(年)の3月まで』というような決め方もあります。

 

終期について、『大学を卒業するまで』とする場合には、浪人した場合はどうするのか、中退や留年した場合にはどうするのか、といった疑問が出てきます。

離婚協議書を作成する場合には、大学卒業予定である『満22歳に達した月まで』『満22歳に達した翌年(年)の3月まで』あるいは『平成〇年〇月まで』等の明確な書き方で終期を記載しますが、『ただし、浪人した場合や留年した場合はどうする』ということをあらかじめ決めておくと良いでしょう。

 

☛ポイント

養育費を決める際は、『子1人についての金額と期間(いつからいつまで)』を明確にしましょう。

又、夫婦での話し合いにおいて、慰謝料ないし財産分与の性質を含めて、『養育費として子1人〇万円』という金額の決め方をしている場合もあります。

しかし、養育費については、事情変更を理由として減額請求ができることを考えると、養育費という名目で財産分与や慰謝料を含めてしまうことは避けるべきです。

 

支払方法

一般的には1か月を単位とし、当月分を『毎月〇日までに支払う』とすることが多いようです。

その他には、指定の口座を記載したり、振込手数料はどちらの負担ということを記載する場合もあります。

 

特別な出費

教育費以外に、子について特別な出費を必要とする際に、その費用の支払を約束することもできます。

例えば、高校入学や大学入学時には『別途〇万円支払う』といった決め方をすることもできますし、『別途協議する』とすることもできます。

 

万一支払いが滞った場合に備えて

夫婦で同意した内容について公正証書にする場合には、「約束を守らなければ、強制執行されても構いません」という文言(強制執行認諾条項)を付けた公正証書を作成しておけば、万一支払いが滞った場合に、裁判をしなくても相手の給料や資産を差し押さえることができます。公正証書を作成しても、強制執行認諾条項が入っていなければ、直ちに強制執行をすることはできません。

 

【語句の意味】事情変更・・・将来的に、物価の変動、父母の再婚、失職などの理由で、支払いの合意をした時から事情が大きく変わること。

 

 

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