夫婦で遺言を作成する
夫婦が同一の証書で〝死後、お互いにすべての財産を遺す〟と遺言することはできません。
二人以上の者が同一の証書で遺言することを共同遺言といいますが、民法では共同遺言は禁止されています。
共同で遺言を作成すると、遺言の書き換えや撤回についてなど様々な制約が生じるという理由からこのような決まりがあるのです。
ですから、たとえ夫婦であっても一つの証書で遺言することはできません。
さて、夫婦が同一の証書で遺言することはできませんが、夫婦でそれぞれ遺言を作成することはできます。
お互いに、〝自分が亡くなったら配偶者にすべての財産を遺す〟といった内容で遺言します。
しかし、この場合、相手が先に亡くなってしまうと、ご自身の遺言に書かれた内容は実現できません。
相手が亡くなった後に、遺言を作り直すことができれば問題ありませんが、それには手間も費用もかかりますし、何より遺言を作成する能力がなくなってしまっている(例えば認知症になっているような場合)ことも考えられます。
ですから、なるべく遺言を作り直さなくてもいいように、財産を遺したい人が自分より先に亡くなってしまった場合に備えて、その人に代わって財産を受け取る人をあらかじめ決めておくと良いでしょう。
一般的には、年齢や健康状態などを考慮して、一方から一方(夫から妻)へ、どのように財産を取得させるかについて定めることが多いようですが、将来のことはわかりません。その逆になってしまうこともあるのです。
ぜひ、ご夫婦で一緒に遺言を作成されてはいかがでしょうか?
当事務所では、ご夫婦で同時に遺言書を作成される場合には、お一人分の報酬額につきましては、通常の報酬額の半額で承っています。